社長インタビュー Vol. 3

当社を興す前、藤田は “ホリエモン” こと堀江貴文氏が率いる「livedoor(ライブドア)」で営業責任者を務めていた。
ホリエモンの国政選挙への出馬や強制捜査と怒濤の日々、どのようなことを思っていたのか。当時の心境を赤裸々に語ってもらった。

——当社を創業する前はどういったことをされていたのですか?

会社を興す前に勤めていたのが「livedoor(ライブドア)」という会社で、社長が堀江貴文さんという方でした。私はポータルサイトの営業責任者で、広告営業活動をしていたんですけど、とにかく収益をあげるところの責任者だったので、堀江さんが国政選挙に出たり、強制捜査にあったり……おかげであらゆる方面に謝ることがありました。

特に選挙活動。社長が選挙に出たときは、社長を使った広告案件がたくさんあったんですが、規則的に広告案件が実施できない、という話になって。全部キャンセルになったの。もうめちゃくちゃ頭を下げて頑張って提案したものを、こちらからキャンセルにしてください、と謝らなければいけなくて。そういった話が連日連夜続いて、代理店さんにも大変迷惑をかけたし、信頼もたくさん失いました。そのときは本当におもしろくなかった。

もうやめたい、逃げたい、おもしろくない。でも、これはきっと何かの役に立つに違いない。もしかしたら、後からおいしいことになるかもしれない、といったことは2、3%思っていました。
普通、選挙出ないでしょ、社長って。

強制捜査のときも、あとからおいしくなる……と思っていました。大変だし、キツいことばかりだったんですけど、きっとこれは人生でかけがえのない経験だと。東京地検特捜部に踏み込まれるとか、普通は社会人経験でないと思うので。そう思って、ポジティブにとらえていました。

おかげで、ちょっとやそっとでは動じなくなったのは良かったですね。実戦で叩き上がってきた、というところでしょうか。

——この話は公開してしまって大丈夫ですか(笑)?

別にいいんじゃないかな。(堀江さんと)ベタベタした関係をしているわけでもないし、取引があるわけでもない。尊敬もしているし、すげえキツかったって話も間違いないし。

あと文字に残しておきたいんだよね。堀江さんの目に触れる場所に置いておきたい。あんたのせいでめちゃくちゃ苦労したんだっていう(笑)。こんなに頑張って積み上げた売上が、社長に台無しにされて、何やってんだと(笑)。

——社外での堀江さんの活動を見に行かれたことはあったのですか?

堀江さんが国政選挙に出馬したとき、土曜に朝一から、新幹線に乗って広島に行ったんですよ。

尾道に行ったら、駅前の一角が堀江さんの選挙ブースになっていて、壁にポストイットで「日本を変えてください!」とかって。壁一面だよ、全部。それを見て、ちょっと鳥肌立って、感動しちゃって。「あぁ、なんか社長がよく分からないけど、広島で戦ってる。もう俺も頭ぐらい下げなきゃだめだな」と思ったりして。謎に感動して帰ったよ、尾道ラーメンを食べて。そしてまた翌週も謝るっていう(笑)。

社長はね、選挙に燃えてたんでそんなの全然知らないと思うけど。いやきつかったですね。取った案件全部なくされるんだよ、意味わかんないでしょ。でも感動したな。