社長インタビュー Vol. 2
「自由」に仕事をする上で見出されるべき「おもしろ」。その根源にあるものは何なのか。藤田の過去から探っていく。
——藤田さんにも、仕事がおもしろくなかった時代があるのですか?
新人のとき、社会人になったときは基本的には全部おもしろくなかったです。もう全然おもしろくない(笑)。
オフィスが銀座だったので、ランチだけが楽しみだった。今思えば、大学生という消費者側から生産者側にまわった、社会をつくる側、サービスをつくる側にまわったことの、一番大きな転換点だったのだと思います。おもしろいものだと思っていた。広告代理店はカッコイイことをする場所だと思っていた。そういった色々な勘違いと、「世間知らず」があっておもしろくなかった、ということですね。
そうして毎日過敏性腸症候群でお腹が痛くなった。そんな中、毎日頑張って仕事に行った。「おもしろ」を見出していくのに、2年以上かかったかな。そしてある日、おもしろいと思えるものやこだわりが見えて、急におもしろくなってきた。
上司の仕事ぶりはそれまでも、毎日見ていたんだけど、急にプロの仕事、あるいは男のこだわりみたいなものが見えるきっかけがあって。
——そういった過去があったのですね。
そういう意味では、自分の興味関心とか、自分の思う「こうなったらいいな」を描けるのがIT業界の「おもしろ」だと思うんですよ。既存の考え方とか習慣をどんどんぶち壊して、新しいものを実際に作ってしまおうという業界。もう「妄想世界大会」みたいになってるんですよね。もっと自由になるとか、世の中を変革していくイノベーションを推進していく場なので、そんなサービスを使えば使うほど、自分の「妄想」を繰り広げて、世の中に問うてみたい、という思いが湧き上がってくる。
それで自分はエンジニアではなかったから、自らサービスをプログラミングすることはなかったけど、子どものときから比較的プロデューサー気質で。自分がやるより誰かにやってもらうとか、総合力で勝つとか、そういうことばかり考えていて。そういう能力に長けているし好きだという特徴を生かして、妄想力でデカい挑戦がしたい、と今でも思っているし、おもしろいことさえ考えていれば、年齢は関係なく、誰よりもおもしろいやつになり続けられる、と思っています。
——実際に今思い描いている「妄想」はありますか。
今我々が注力しているのが、地方メディアのDXや、地域のDXによる活性化。確かにトレンドではあるけど、我々らしい戦い方とか、藤田誠らしい戦い方を編み出していきたい。そう考えたときに、共感したり一緒に戦ってくれたりする人が集まってくれることこそが、「妄想」の面白さだと思います。
そうなれば「妄想」が「構想」に変わる。妄想だけの妄想おじさんはまずいよね。悪いことはしないけど勝手に膨らませてさ、やらしいよね(笑)。
そうじゃなくて、妄想を構想に変える。それを実現するのが「サービス」や「事業」なんです。だから当社は「事業」にこだわっている。なぜなら、何かを形にするとき一人ではできないし、ボランティアではやっぱり不確実性が高い。だから自ら稼げる、自走可能な体制を実現したら、楽しいんじゃないか。だからこそ「事業」を作らないといけないし、収益をあげなければいけない、と思っています。
なるほど。前回の話にもつながりますが、「妄想」という「自由」を実現するために、「事業」という「責任」を果たしていくのですね。
ありがとうございました。