2026年9月4日

LAND INSIGHT、栃木県の中山間地域での農地維持支援を開始

INCLUSIVE株式会社

「⼈⼯衛星(衛星データ)×AI」を活⽤し、栃⽊県の農業課題解決を推進 
⽀援が必要な集落を特定し、新たな地域営農を⽬指す

INCLUSIVE Holdings株式会社の⼦会社であるLAND INSIGHT株式会社(本社:福島県南相⾺市、代表取締役社⻑:遠藤嵩⼤、以下「LAND INSIGHT」)は、栃⽊県内18市町を対象に、中⼭間地域の農地維持に向けたデータ分析および可視化ツールの提供事業を開始いたします。

衛星データや地形データをAIで分析し、中⼭間地域⽀援事業の交付対象となり得る農地を可視化することで、制度が適⽤されている⼜はされる可能性がありながら、交付を受けていない地域を特定します。これにより、栃⽊県内から集落への制度活⽤の働きかけを⽀援するとともに、対象農地の確認や申請に伴う⾏政業務の負担軽減を⽬指します。

栃木県内の中山間地域

事業の背景と解決する課題「データで守る農地と地域社会」

中⼭間地域等の農業⽣産条件が不利な地域を対象とした国の「中⼭間地域等直接⽀払制度」は、法律で定められたエリアが中⼼となっており、実質的に厳しい営農環境にありながら制度の対象から外れている集落が存在します。⽀援の必要性を客観的に評価し、県が独⾃判断で⽀援対象を広げる「特認地域」の指定制度があるものの、ここ5〜10年の変化を捉えた最新のデータが⼗分に整理されていませんでした。
近年、全国的にもどの農地でどのような作物が作られていたか(あるいは作れるか)といった実態を把握できず、農地が放置される事態が⽣じています。また、⿃獣被害の深刻化や防災機能の下といった地域課題への波及も懸念されています。だからこそ、農地の実態を客観的に可視化するデータインフラが必要だと考えます。

本事業では、データ基盤を構築することで、条件不利な地域をより正確に把握し、条件不利な地域や県内集落の実態を、客観的なデータに基づいて把握するための分析を行います。


栃⽊県農村振興課 担当職員コメント

⼩さな集落ほど、草刈作業や共同活動の仕組みが農村⾵景やコミュニティの維持に直結する⾯があり、中⼭間地域等直接⽀払制度は重要な⽀援策の1つです。各種の中⼭間地域対策は、統計データを踏まえて対象地域を設定していますが、ここ10年間の変化と将来予測により、きめ細かな対応を検討し、より迅速に対象エリアや農地が判別できることが⽬指されます。同時に、⺠側も⾃治体側も限られた⼈員で集中して取り組むべきことは何か、将来的な議論も⼤切です。そのため、過疎化や⾼齢化のマイナスイメージにとらわれず、衛星データと経営構造を組み合わせた解析により、栃⽊県の中⼭間地域の強みとなるビジネスや⼈の流れを⾒い出す事業となることを期待しています。

本事業の取り組み内容

  1. 詳細な過去データを整理
    栃⽊県内18市町を対象に、⼈⼝‧農家数‧耕作放棄地などの各種統計データを、現在の市町村区分よりさらに細かい「旧市町村単」まで遡って集計‧整理します。
  2. データ可視化ツールを構築
    集計したデータを基に、県職員⾃⾝が「どの集落が条件不利な状況にあるか」を確認‧⽐較できるツールを構築します。
  3. 地形データ等を組み合わせた将来推計
    統計データに加え、地形データや地理情報を掛け合わせることで、対象地域の5年後‧10年後の営農環境や耕作放棄の発⽣予測を算定します。

LAND INSIGHTの強み「衛星データ×AI=“地球をスキャン”」

衛星データ×AIによる過去約20年分の実測で、これまでの統計の「ズレ」を補正

衛星データとAIを組み合わせることで、従来の調査手法では見落とされていた新たな事実の発見につながる可能性があります。通常の統計データや地図化にとどまらず、衛星画像とAIを活用して過去約20年間の土地利用の変化を実際に測定。これまで自治体や農家からの「自己申告」に依存しがちだった統計データと実態とのギャップを可視化・補正し、支援が必要な地域の見極めに高い客観性と根拠を持たせます。

栃木県内での豊富な実績とノウハウの活用

これまで農地区画に関する情報は、アナログな手法を中心に管理されてきました。前年度に栃木県内で実施した「現況農地区画のデータ化・地図可視化」の実証事業では、県内全25市町村を対象に70万筆(※件数)の農地区画のデータ化に関する業務を受注。そこで培ったデータ整理の実績や地域特性に関するノウハウをダイレクトに活かし、迅速かつ高精度な事業推進を実現します。

今後の展望「衛星データ×AIを活用し農業課題の解決を推進」

LAND INSIGHT 代表取締役社長
遠藤嵩大

本実証を通じて、栃⽊県内の条件不利地域や⼈⼝減少が進む集落の実態を、客観的なデータに基づいて把握できる仕組みを構築します。これにより、県や市町職員の皆様が⽀援の必要性を検討される際の材料をより正確に整えることを⽬指します。

将来的には、栃⽊県で培ったデータ整理‧分析の⼿法を、同様の課題を抱える全国の中⼭間地域へ展開し、農地の維持‧管理や担い⼿不⾜といった課題の解決を、⽀援していきたいと考えています。

会社概要

2022年4⽉設⽴。地域の価値創造と産業効率化に取り組むINCLUSIVE Holdings株式会社の⼦会社で、衛星データを活⽤したGovTech(⾏政DX)領域のサービス開発企業です。福島県南相⾺市を拠点に、農業⾏政の現地調査を効率化するサービス「圃場DX」を、全国218以上の⾃治体(2026年7⽉時点‧累計)に展開しています。2026年2⽉、第7回宇宙開発利⽤⼤賞「農林⽔産⼤⾂賞」を受賞しました。 URL:https://landinsight.space/

参考データ

⼩規模集落化が加速

栃⽊県の中⼭間地域では、集落活動の実施率が急激に下するとされる9
⼾以下の農業集落の割合が、都市的地域や平地農業地域に⽐べ急激に増
出典:栃木県『とちぎ農業未来共創プラン』https://x.gd/iis96

全国でも小規模集落化が進行

全国の9⼾以下集落の割合は、
2010年6.6%→2020年7.8%と1.2ポイント増加
出典:農林水産省『令和4年度 食料・農業・農村白書』https://x.gd/7j1KZ

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